[楽器コラム]ブラッキーとブラウニー[エリック・クラプトンの愛した名ギター達]
どうもこんにちは、カムラです。
久々の楽器コラムのコーナー!
今回の題材は名ギタリスト、エリック・クラプトンが愛したギター達「ブラッキーとブラウニー」についてです!
エリック・クラプトンって?
エリック・クラプトンはイギリス出身のギタリストです。
代表作に「Layla」や「Tears in Heaven」を持ち、世界三大ギタリストと評された名プレイヤーです。
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エリック・クラプトンとストラトキャスター
そんなエリック・クラプトンの愛器といえばフェンダーのストラトキャスターです。
エリックは1967年頃、はじめてストラトキャスターを手にしました。
当時はクリームと言う3ピースバンドで活動しており、3ピースというバンド編成と、ストラトキャスターの特性上演奏に不向きだった為メインギターとはなりませんでした。
しかしクリーム解散後結成したスーパーバンド、ブラインド・フェイス時代に転機が訪れます。
バンドメイトであったスティーヴ・ウィンウッドのメインギターに影響を受けて、再びストラトキャスターを手に取るようになったのでした。
クラプトンとスティーヴ・ウィンウッド
ブラウニー
以上のような出来事があった後、クラプトンはまたまたバンドを解散し、アメリカ南部の夫婦デュオ、デラニー&ボニーのツアーに同行します。
彼らとの交流の中で、ブルース・ロックに影響を受けたクラプトンは彼らと共にソロアルバム、更にはデレク・アンド・ザ・ドミノスを結成して彼のキャリアでも最高傑作の一つと名高い「Layla」を発表します。
この時に活躍したギターが前述の2トーン・サンバーストのストラトキャスター、通称ブラウニーです。
ブラウニーは主に1970年代初頭からメインギターとして使用され、ライブやレコーディングで使用されておりました。
しかし、後述のブラッキーが完成した頃からメインギターの座を譲り、使用される頻度は少なくなっていきました!
エリック・クラプトンとブラウニー
ブラッキー
ブラウニーが活躍していたのと同じ頃、クラプトンはナッシュビルにある楽器店で6本のヴィンテージ・ストラトキャスターを購入しました。
(当時のストラトキャスターはジャズマスターやジャガーの台頭によって製造中止が検討されるほど人気の落ち目で、この時は一本100ドルで購入できたらしいです)
元々、クラプトンはライブ中にギターを壊すことでお馴染みだった友人のジミ・ヘンドリクスにプレゼントするつもりだったのですが亡くなったせいでその話は果たせなくなりました。
こうして手にしたストラトキャスター6本のうち3本をジョージ・ハリスン、ピート・タウンゼント、スティーヴ・ウィンウッドに譲り、残された3本を分解して最良のパーツを選び出して組み上げられたのがこのブラッキーです。
この名前の由来は、ボディパーツに使ったギターのフィニッシュがブラックだったからです。
このギターが初めて演奏されたのは復帰戦となった1973年のライブで、その様子はアルバム『エリック・クラプトン・レインボー・コンサート』に残されています。
このライブ以降クラプトンはライブだけでなくレコーディングでも弾き続けて、ヒット作を多数残します。
こうして活躍してきたブラッキーでしたが、1985年に行われたライブを最後にボディーの劣化で引退することになりました。
毎日好んで弾き続けていたせいで、交換の難しいボディーやネックの木材が摩耗してしまい、修正が不能となったことが引退に至った理由とされています。
クラプトンとストラトのその後
ブラッキーとブラウニーが引退して以降もクラプトンはストラトキャスターを愛用していきます。
特にフェンダーUSAが提供したギターのブラッキーの後継機、「Heir to Blackie」は有名で、レースセンサーPUと呼ばれる特殊なピックアップや、ミッドブーストと呼ばれる中域をブーストして音を太くする機能を搭載しており、1990年〜1993年の間活躍しました。
今でも多くのクラプトンシグネイチャーモデルの原型にもなっています。
以上で久々の楽器コラム終わりです。
時々こんな感じで書いていければと思いますので楽しみにしていて欲しいです!
それでは!
[名ギタリスト紹介]エリック・クラプトン[哀愁のスローハンド]
どうもこんにちは!カムラです!
今回の名ギタリスト紹介は、前回に引き続き初代三大ギタリストの紹介をしたいと思います!
今回紹介するのは、「スローハンド」として知られるこの男!
エリック・クラプトンについてです!
エリック・クラプトンとは?
エリック・クラプトンは、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジらと共に「三大ギタリスト」と称されたギタリストで、これまでThe YardbirdsやCream、ソロと長年に渡って活躍してきた人です。
生い立ち
1945年3月30日、イギリス生まれのギタリストです。
10代になると、マディ・ウォーターズやロバート・ジョンソンといった名ブルース・プレイヤーを聞くようになり、ブルースにのめりこみます。10代後半の頃には、ルースターズらいくつかのバンドでの活動を経験するようになり、その後、初代ギターの脱退したヤードバーズに迎え入れられます。このヤードバーズというバンドは、既にロンドンのクラブで高い評価を得ていたバンドでクラプトンの加入と共に更に力を増していきます。
ヤードバーズ時代のクラプトン(左から2人目)
ヤードバーズでのプレイが認められ、一躍憧れのギターヒーローとして注目されるようになったクラプトンでしたが、ポップ路線に変更したバンドメンバーと衝突するようになり、1965年にバンドを去ることになりました。
この時の後任が後に「三大ギタリスト」として並び称されるジェフ・ベック、ジミー・ペイジです。
ヤードバーズを脱退したクラプトンはよりブルースを探求する為に、ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズに参加。往年のブルース・プレイヤーたちの曲を盛んに演奏しました。
この頃のクラプトンは神がかりとすら思えるレベルのギタープレイを行なっていたことからロンドン中で「CLAPTON IS GOD(クラプトンは神だ)」の落書きが現れるほど神格化されるようになりました。
その後、ジャック・ブルースやジンジャー・ベイカーらと「クリーム」を結成。
各々のアドリブとアドリブをぶつけ合うような凄まじい演奏で人気をより強固なものにしましたが、メンバーの人間関係の悪化により、解散。
スティーブ・ウィンウッドらとブラインド・フェイスを結成するも長続きせず、薬と酒浸りに手を染めてしまいます。
こうした流れを断ち切ろうと、クラプトンは新天地を求めてアメリカに渡り、デレク・アンド・ザ・ドミノスを結成。デュアン・オールマンをゲストに迎えた名曲「愛しのレイラ」を大ヒットさせます。
しかしここでもバンドは長続きせず、とうとう隠遁生活を始めてしまうのでした。
そんなクラプトンを救う為、友人達が動き出します。ピート・タウンゼントらの働きかけでライブ活動に復帰すると、薬と酒を克服し、1974年発表の『461 Ocean Boulevard』でシーンに復帰します。
その後しばらくは順調な活動をしていたクラプトンでしたが、そんな彼をまたもや悲劇が襲います。
最愛の息子との突然の別れという悲しみを乗り越え、息子への鎮魂歌として「Tears In Heaven」を作ると、世界的に大ヒット。
これ以降はアンプラグドと呼ばれるアコースティックセットでの演奏で新境地を開くと共に幅広いファン層を獲得し、「チェンジ・ザ・ワールド」などヒットにも恵まれました。
以降のクラプトンはB.B.キングら尊敬するブルースマンや再結成したクリームで活動する一方でドラッグ更生診療所「クロスロードセンター」への資金捻出のために資金集めを目的としたチャリティ・コンサートの「クロスロードフェスティバル」の開催やオークションへのギター出品など慈善活動にも力を入れております。
近年では、長年の活動が認められ、2015年に『ブルースの殿堂』入りを果たした他、エドシーランら数々のプレイヤーたちと共演しています。
エリック・クラプトンの使用ギター
そんなエリック・クラプトンの、使用機材を紹介していきます!
エレキギター
Fender Telecaster
(ブラインドフェイス時代のテレキャスター)
エリック・クラプトンと言えばフェンダー・ストラトキャスターを使用しているイメージの人が多そうですが、最初に表舞台で弾いていたギターは実はフェンダー・テレキャスターなのです。
ヤードバーズのメンバーとしてデビューした当時のクラプトンはオレンジがかったテレキャスターを愛用していたようです。
ヤードバーズ脱退後も、ストラトキャスターのネックを打ち込んだ特殊なテレキャスターをスティーヴ・ウィンウッドらとのブラインド・フェイスで使用したり、ソロ活動でテレキャスターを使用していたりと日陰者ながらクラプトン作品を支えて続けていました。
テレキャスター時代のクラプトン
Gibson Les Paul Standard
次にクラプトンが使用したギターはギブソン・レスポールです!
レスポールは、ヤードバーズを脱退した後、ブルースブレイカーズやクリームの頃にクラプトンが使用していました。
ストラトキャスター使用以前のクラプトンの特徴だった、トーンを絞ってマーシャルのアンプで歪ませて作る「ウーマントーン」と呼ばれるサウンドはこのレスポール時代に確立されたとされています。
ちなみにこの「ウーマントーン」は、その甘く暖かい音の作りが女性の声のように感じられたからそう名付けられました!
その後、1968年頃友人である当時ビートルズだったジョージ・ハリスンに譲られることになります。
この時、赤色のペイントが施されていたことからコメディアンのルシル・ポールにちなんで「ルーシー」と名付けられました。
ちなみに、同年発表のThe Beatles「White Album」の楽曲「While My Guitar Gently Weeps」で客演したクラプトンが魅せたギターソロはこのギターを使って1テイクで録られたものだそうです!
レスポール時代のクラプトン
Gibson SG
クリーム初期のメインギターとして最も有名なのがこのギブソンSGでしょう。
このギターは、クラプトンがクリームに在籍していた1967年頃に入手したギターで、「ザ・フール」と呼ばれる芸術集団によってサイケデリックなペイントが施されました。
ペイントの通り、「カラフル・クリーム」などのサイケデリック期を代表する作品やライブで大活躍しました。
SGを弾くクラプトン
Gibson ES-335
クリーム後期のメインギターとして活躍したギターです。
このギターの購入自体は1964年、クラプトンがまだヤードバーズに在籍していた頃にされていました。
ギブソンのESシリーズと言えば、B.B.キングやチャックベリーなど、ロックンロールやブルースの第一線で活躍していた人達に好んで使用されたギターです。
クラプトンも同様にサイケデリック・ロックから原点回帰したブルース・ロックを演奏する時に演奏しており、「crossroad」などで名演を行いました。
また、クリーム解散後も時折使用している姿が見られていることから「影のメインギター」として隠れた人気を誇っていたようです。
ES-335を弾くクラプトン(ロックンロール・サーカス限定バンド、ダーティ・マックにて)
Fender Stratcaster
バンドよろしく渡り鳥のようにギターを替えてきたクラプトンでしたが、最終的にたどり着いたのがフェンダー・ストラトキャスターでした。
1960年代後半に初めてこのギターを手に入れたクラプトンは、1970年頃からの活動で本格的に使用するようになります。
1970年に発表されたデレク・アンド・ザ・ドミノスやソロアルバムで、2トーン・サン・バーストのストラトキャスター(通称ブラウニー)を使用すると「いとしのレイラ」といったヒット曲を出しました。
ソロアルバムのジャケット。足元にあるのがブラウニー
その後は、ブラッキーと呼ばれる数本のギターの良いパーツを繋ぎ合わせて作られた黒いストラトキャスターをメインギターとして、ピックアップやパーツを取り換えながら長年使用していきました。
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ブラッキーを演奏するクラプトン
エリック・クラプトンの奏法、音楽性!
エリック・クラプトンのギタープレイは、ヤードバーズ、ブルース・ブレイカーズ、クリームにブラインド・フェイス、デレク・アンド・ザ・ドミノスなど様々なバンドを転々としている反面、基本的に一貫してブルースを中枢に据えた演奏スタイルを行ってきました。
特にビブラートやチョーキングを多用し、音に深みを持たせる技術に長けており、奏でる音より動かす手がゆっくりに見えることから「スローハンド」と呼ばれる由縁の一つになったほどとされています。
そして何より、ボーカリストとしての才能にも恵まれた点は他の三大ギタリストとの決定的な違いです。
クラプトンはクリームに在籍していた1968年頃、所属していたレコード会社の意向もあり本格的にボーカルをとるようになります。
当時はあまりボーカルを取りたがらなかったそうですが、ソロになる頃には自身でボーカルを取るようになり、年々深みを増していく嗄れていながら甘さも感じさせる歌声でヒット作を出していくようになりました。
一説によると、1969年頃に夫婦デュオのデラニー&ボニーのツアーに同行していた頃に、奥さんのボニーがクラプトンの歌声を評価し、中々歌いたがらなかったクラプトンがボーカルをとることを後押ししたそうです。
百聞は一聴に如かず!次項からはエリック・クラプトンの代表曲やおすすめアルバムを紹介していこうと思います!
エリック・クラプトンの代表曲!
1.Crossroad
バンド活動の頃のクラプトンを聴きたい人はこれ!
この頃はギタリストとして脂が乗り出した頃で、ベースのジャック・ブルースやドラムのジンジャー・ベイカーといった名うてのプレイヤー達とぶつかり合うような凄まじい演奏と、この時期特有の「ウーマントーン」と呼ばれる音作りを堪能することができる名曲となっています。
カバー元は伝説のブルースマンと名高い「悪魔に魂を売った男」、ロバート・ジョンソンの「Crossroad Blues」。
2.Layla
Eric Clapton & Friends - Layla (Live At Montreux 1986)
クラプトンのキャリアを通しての代表作。
デレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバム「Layla and Other Assorted Love Songs」収録。
20代以上の人なら一度はCMで聞いたことがあるキャッチーなリフで始まるこの曲は親友ジョージ・ハリスンの当時の奥さんパティ・ボイドに捧げられた曲です。
曲の終盤で聞こえるギターソロの掛け合いは、ゲストで参加していたデュアン・オールマンのギターが相方となっています。
個人的には80年代、フィル・コリンズや盟友ネイザン・イーストをリズム隊に迎えていた頃のバージョンが1番聞き応えがあって大好きです。
3.Wonderful Tonight
Eric Clapton Wonderful Tonight Live greatest version
ソロ活動の頃を堪能したい方はこちら。
紆余曲折あった後に結ばれたパティ・ボイドとの幸福な生活を描いた楽曲。
イントロで聞かれるギターリフは、クラプトンの必殺技、ビブラートやチョーキングが駆使されており、「スローハンド」の異名の通りのギタープレイが堪能できます。
4.Tears in Heaven
Eric Clapton - Tears In Heaven
ボーカリストとしてのクラプトンを堪能したい方はこれ!
哀愁のこもったギターフレーズから静かに始まる曲。
ハスキーかつ甘いクラプトンのボーカルとアコースティックギターの悲しさを感じさせるメロディが絡み合うこの曲は、幾多の困難や悲しみを乗り越えてきた男からしか出すことのできないものになっていると思います。
5.The Beatles 「While My Guitar Gently Weeps」
The Beatles - While My Guitar Gently Weeps
客演の多いクラプトンですが、特に有名なのはこちらです。
当時不仲で解散寸前に陥っていたビートルズがホワイトアルバムを制作していた頃、レコーディングに散漫な態度を取るようになっていたメンバーにテコ入れをする為にジョージ・ハリスンがクラプトンを招聘したことで実現した曲。曲の間で聴けるギターソロはたったの1テイクで、クラプトンからジョージの手に渡ったレスポールを使って演奏されたそうです。(因みにクラプトンはビートルズのメンバーと演奏できたことに舞い上がって当時の記憶がほとんどないんだとか)
また、この曲はジョージとクラプトンを繋ぐ絆のような曲とも言うことができ、親友ジョージの追悼コンサートで息子のダニー・ハリスンと演奏する姿は胸に来るものがありました。
While My Guitar Gently Weeps (Taken from Concert For George)
こんな感じで今回は終わりです!
次回はジェフ・ベックについて書ければと思っています!それでは!
[名ギタリスト紹介]ジミー・ペイジ[稀代のリフメイカー]
どうもこんにちは!カムラです!
今回の名ギタリスト紹介からは、初代三大ギタリストの紹介をしたいと思います!
今回紹介するのは、稀代のリフメイカーとして知られるこの男!
ジミー・ペイジについてです!
ジミー・ペイジとは?
ジミー・ペイジは、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンらと共に「三大ギタリスト」と称され、現在でも世界最高のロックバンドとの呼び声の高い「Led Zeppelin」でギター兼リーダー、更にはプロデューサーまで担当した人です。
生い立ち
1944年1月9日、イギリスのミドルセックス州生まれ。
13歳でギターを始めると、19歳の頃にはセッション・ギタリストとして活動し始めます。
セッション・ギタリスト時代の時点で売れっ子になっており、師匠格のビッグ・ジム・サリヴァンと共にゼムの「Baby Please Don’t Go」や、ザ・フーの「I Can’t Explain」、マリアンヌ・フェイスフルの「As Tears Go By」といった作品に参加して大活躍していました。
またこの頃、後のレッド・ツェッペリンで共に活動をするベーシスト兼キーボーディストのジョン・ポール・ジョーンズとも知り合っていたそうです。
しかし、ジミーは徐々に裏方でのセッション活動よりも、パーマネントなバンドでのライブ活動を志ざすようになります。
そして1966年、ポール・サミュエル・スミスの脱退に伴い、以前は辞退したヤードバーズの加入要請を受け、待望のバンド活動を開始します。
加入当時はベースを担当していたのですが、前回の辞退時に推薦したギタリスト、ジェフ・ベックが扁桃腺炎を発症すると代役としてギタリストに転向。
ジェフ・ベック復帰後は「Stroll On」や「Happenings Ten Years Time Ago(幻の10年)」などと言った楽曲で強力なツイン・リード・ギターを披露しました。
(このヤードバーズというバンド、今回から紹介するエリック、ジェフ、ジミーら三大ギタリストが全員入れ替わり立ち替わりで参加していたバンドなんです…)
Yardbirds "Stroll On" (Blow Up (1966))
しかし、ジェフ・ベックの脱退や、他のメンバーの方向性、技術面の問題からの戦線離脱によって1968年には空中分解をしてしまいます。
唯一バンド継続に意欲のあったジミーは、ボーカルにバンド・オブ・ジョイで活動していたロバート・プラント、ドラマーにロバートの元バンドメイトのジョン・ボーナム、ベースに前述のように親交のあったジョン・ポール・ジョーンズを加え伝説のロックバンド、レッド・ツェッペリンを結成します。
1968年に「Led Zeppelin Ⅰ」でデビューすると、続く「Led Zeppelin II」では全英米一位を獲得、「Led Zeppelin IV」で音楽的にも揺るぎない地位を獲得するまでになります。
しかし、1980年ドラマー、ジョン・ボーナムの突然死によってレッド・ツェッペリンは解散。ジミーは半ば隠遁状態になってしまいます。
ツェッペリン解散後のペイジは、83年の「A.R.M.S」コンサートで表舞台に復帰、彼同様三大ギタリストのエリック・クラプトン、ジェフ・ベックと共演します。
その後はソロ活動の他にポール・ロジャースとのザ・ファームや元ディープ・パープルのデヴィッド・カヴァーデイルとのカヴァーデイル・ペイジ、ロバート・プラントとコラボしたペイジ&プラントなど様々な活動を行いました。
そして2000年以降は、ツェッペリンを敬愛するブラック・クロウズや、フー・ファイターズらとの共演で今なおシーンで活躍しています。
特に、2008年の北京オリンピックの閉会式で、ロンドンバスの上でレオナ・ルイスと共にレッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love」をパフォーマンスしたことは話題になりましたね!
ジミー・ペイジの使用ギター
そんなジミー・ペイジの、使用機材を紹介していきます!
ジミーと言えば、様々なタイプのエレキギターを使いこなし、幅広いジャンルの音楽を製作してきました。
エレキギター[珠玉の名器たち]
Fender Telecaster
ジミー・ペイジのバンド活動初期の中で、最も重要なギターと言えば、実はフェンダー・テレキャスターなのです。
ヤードバーズ時代、メインギターを切り替えたジェフ・ベックに譲ってもらって以降、レッドツェッペリンの全盛期に入るまでメインギターに据えられており、様々な舞台で活躍しました。
レッド・ツェッペリンの最高傑作として名高い「Stairway to Heaven(天国への階段)」における激情のギターソロが、テレキャスターによって演奏されたことは有名ですね!
その愛用具合はかなりの物で、ステッカーを貼りまくったり(画像上)、その後塗装を剥がし、ドラゴン柄にリフィニッシュしたり(画像下、通称ドラゴン・テレキャスター)とコロコロと見た目を変えました!
しかしそのペイントが災いして回路が破損、使用不可能になってしまいました…
Gibson Les Paul Standard
ジミーのギターと言えば、間違いなくギブソンのレスポールモデルです!
世界的に大ヒットしたロックバンド、レッド・ツェッペリン時代にメインギターとなったレスポールは、以降のキャリアにおいても重宝され、今ではトレードマークとなっております。
特に1969年にジョー・ウォルシュから譲り受けたものは「No.1」と呼ばれ、ペグ・ネック改造や、ピックアップ交換、ピックアップカバー取り外しなど様々な加工を行なって弾きやすさを追求し、現在まで愛用されております。再結成ライブでの「幻惑されて」で使われた事は有名ですね!
他にも、同様の改造を施した「No.2」、ストリングベンダーと呼ばれる音程を持ち上げる装置を換装した「No.3」など様々なレスポールを使用しています。
ストリングベンダー
Gibson・EDS-1275
様々なギターを使う事で有名なジミー・ペイジ。中でもレスポール、テレキャスターと並び有名かつ人気なギターは、このGibson・EDS-1275。
このギターはダブルネック・ギターと言うもので、長い方が12弦ギター、短い方が6弦ギターとなっており、バラードのような繊細で煌びやかなサウンドと、ギターソロのような骨太で聞き応えのあるサウンドを用途毎に一本で弾くことができることです。
つまり、「天国への階段」のように様々なスタイルが入り混じった超大作にうってつけなギターとなっております。
Danelectro 3021
ジミー・ペイジが使ったことで人気が出たギターです。主に、スライドギターを弾く際や、オープンチューニング、DADGADチューニングなどの変速チューニング曲用として使用されています。
本来このギターは芯がなく、チープなサウンドと評される事も少なくなく、ギターです。
そんなギターを使いこなし、独特で妖艶なサウンドに昇華した事はジミー・ペイジの技量を窺い知れましょう。
ライブでは「カシミール」のような異国情緒漂う壮大な楽曲で使用された事で有名ですね!
Fender Stratcaster
フェンダーならテレキャスターを使っているイメージが強いと思いますが、実はフェンダー・ストラトキャスターも使用しています。
このギターは70年代中盤頃に入手しており、「Over the Hills and Far Away」と言う楽曲で使われました。
表立った活躍としては、79年のネブワース公演での「In the Evening」が有名です。
アコースティック・ギター
Martin D-28
ヤードバーズ、レッドツェッペリンとエレキギター弾きとして注目されがちなジミーですが、アコースティックギターの名手でもあります。
中でも最も有名なのがこのMartin D-28。
楽曲では3枚目のアルバムから使用されるようになり、アールズ・コート公演での「Bron-Yr-Aur」と言うインスト曲で聞かれる鳴りの良いギターはこのギターで演奏されたものです。
他にも「Baby、I'm Gonna Leave You」のようなツェッペリン初期の楽曲ではGibson J-200と呼ばれるアコースティック・ギターにエレキ弦を張ったものが使われております。
ジミー・ペイジの奏法、音楽性!
ジミー・ペイジのギタープレイは、ブルースを基本にフォークやカントリーと言った様々なジャンルの音楽要素を吸収したものとなっています。
中でも繰り返し同じフレーズやスケールを弾きまくるラン奏法と呼ばれるプレイが持ち味で、荒削りと言われてしまうこともありますが、感情のこもった人間味あふれるギターが魅力的です。
また、前述のようにアコースティック・ギターの技術も非常に高く、「Baby、I'm Gonna Leave You」で心地よいギタープレイが見られます!
そして何より、アイデアマンとしても有名で、「heartbreaker」や、「Whole Lotta Love」、「Rock and Roll」と言った数々の名リフを産み出すだけでなく、ヴァイオリンの弓を使用したボウイング奏法や、DADGADチューニングやオープンチューニングといった変速チューニングなど、その後のロック界で使われる事になる様々なテクニックの先駆けとなっています。
他にもギブソン・レスポールを通常よりも長いストラップを用いて腰よりもかなり低い位置まで下げ、腕を伸ばした独特な姿勢で弾くことが特徴的で、ジョー・ペリーやスラッシュといった後続のギタリストに受け継がれ「レスポールは低い位置で弾くもの」という流行を生んだほどだったとされています。
ちなみに、ギターの位置を長くするようになった理由は「長いツアーの中で何か気分転換になるような事はないかと模索してどこまでギターを低くできるかに挑戦したくなったから」だそう。
「下げるところまで下げたら、今度は僕の腕が伸びちまったよ。」なんて言っていたとか。
百聞は一聴に如かず!次項からはジミー・ペイジの代表曲やおすすめアルバムを紹介していこうと思います!
ジミー・ペイジの代表曲!
1.Dazed and Confuzed
アイデアマンとしてのジミーが聞きたい人はこれ!
この曲は、ヤードバーズ後期から演奏し始めた曲で、レッド・ツェッペリンの時に完成されました。
テレキャスターとトーンベンダーというエフェクターを用いた禍々しいサウンドは唯一無二です。
Led Zeppelin - Dazed and Confused (London 1969 Live Good Quality)
ちょっとコナン君の犯罪シーンでかかる曲に似てますね
2.Communication Breakdown
エネルギッシュなジミーを聴きたい人はこれ!
1stアルバム「Led Zeppelin Ⅰ」収録。キャッチーなリフに勢い溢れるギターソロ。わずか2分半で駆け抜ける曲。とはいえ、この中にジミーの良さが凝縮されているので一聴の価値ありです!
Led Zeppelin - Communication Breakdown "1969" [ Good Quality ]
3.Stairway to Heaven
ツェッペリン時代の最高傑作と言えばこれ!
哀愁のこもったギターリフから静かに始まり、曲が進むに連れて徐々に楽器隊が合流。そして激情のギターソロ!からのボーカル、ロバートのハイトーンが光る感動の大サビへ!大作とはかくあるべし、と言った名曲中の名曲です!
Led Zeppelin - Stairway to Heaven Live
(昔はあまりにもみんなが演奏するから楽器屋で試し弾きに使うのが禁止されてた事は有名ですね。)
4.Kashmir
Led Zeppelin Kashmir 1979(LIVE VIDEO)
ツェッペリンの最終到達点の一つと言えばこれ!
DADGADチューニングと呼ばれる変速チューニングから繰り出される、壮大でおどろおどろしいリフに、闇を振り払うようなロバートのボーカルはまるではるか昔、中東辺りの荒野を進軍する軍隊を想起させます。
この絶妙に噛み合った、無駄のないアンサンブルはプロデューサーとしてのジミーの腕を垣間見ることができます。
ex.One Hit from The Rolling Stones 「Dirty Work」
The Rolling Stones - One Hit (To The Body) - OFFICIAL PROMO
客演としてのジミーのプレイを聞くならこちら!
当時不仲で機能不全に陥っていたストーンズにテコ入れをする為にキース・リチャーズが招聘したことで実現した曲。曲のラストで聴けるギターソロは、ジミーらしさ全開です!
ジミー・ペイジのおすすめアルバム!
1.Led Zeppelin Ⅳ
ジミー・ペイジの入門編として聞きたい人におすすめのアルバム!
「Black Dog」や、「Rock and Roll」に見られるリフメイカーとしての側面に、「Going to California」で見られるアコースティックな側面、更にそれらを集めた「Stairway to Heaven」と、これでもかとペイジを堪能させてくれます!
2.Led Zeppelin Ⅰ
リフメイカーとしてのジミーを堪能したい人におすすめのアルバム!
「Good times Bad times」や「Communication Breakdown」、「How many more times」など様々なリフが選り取り見取りな作品になっています!
また、このアルバムでは当時愛用していたテレキャスターとトーンベンダーというエフェクターの凶悪なサウンドが楽しめるのも魅力の一つです!
3.Led Zeppelin Ⅲ
アコースティックなジミーを聴きたい人におすすめのアルバム!
レッド・ツェッペリンと言えば強烈なリフに激情のギターソロというイメージが先行しがちですが、フォークの要素も持ち合わせています。
中でもこのⅢはそうした面を前面に押し出しており、
勢いに頼らない純粋なツェッペリンの地力を知ることができるアルバムになっています。
ジミー・ペイジのこぼれ話・小ネタ
そんなジミーは演奏面以外でもネタに事欠きません。
ツェッペリン時代、ペイジは黒魔術へ傾倒していると噂されました。
彼はアルバム『レッド・ツェッペリン III』に魔術師アレイスター・クロウリーの言葉を刻んだり、クロウリーの元邸宅を別荘として所有していたりした為に噂に拍車がかかってしまいました。
中でも有名なエピソードに、「天国への階段」を逆回転で再生させると悪魔崇拝のメッセージが聴こえるという噂が流れて批判の矢面に立たされる事態になったというものがあります。
アトランティックレコードはこの件に関して「当社のレコード盤は一方向にしか回転しない」と答えている。(当たり前ですよね汗)
バンド以外でのエピソードでは、来日の際には決まって輸入レコードショップに立ち寄り、写真撮影や店内の客との即席のサイン会などを開くことを条件に、不法に製造販売されている海賊盤を自身で大量に押収して持ち帰っているというものもあります。
他にも、ケチな人と言われることもあり、レッド・ツェッペリン時代に「レッド・ウォレット(鉛の財布)」と揶揄されたという話や、その反面慈善活動で高額の寄付を積極的に行うという話も有名です。
こんな感じで今回は終わりです!
編集後記
さて、今回大好きなギタリストについてまとめたのですが、聴きやすさや網羅性を意識して紹介するとレッド・ツェッペリンのことばかりになってしまった感が否めず、少し消化不良です。なので、ソロ作品やツェッペリン以降のバンドについて学習した上でまた追記していけたらと思います!
ここが変だ、とかここは違うなどあればコメントの方もよろしくお願いします。
次回はエリック・クラプトンについて書ければと思っています!それでは!
ディスクレビューvol.23 GOING STEADY/若者たち/夜王子と月の姫
どうもこんにちは!カムラです!
久しぶりのディスクレビュー。
今日は趣向を変えて、シングル作品GOING STEADYの若者たち/夜王子と月の姫をレビューしたいと思います!
2003年の初めに予定されていた全国ツアーを直前にして、突然解散してしまったGOING STEADYにとって結成中最後のシングルとなったアルバム。
アルバム「さくらの唄」以降どんどん激化していく感情の暴走を歌った曲がこちらでも聴くことができます。
一曲目「若者たち」の開幕一番で聞こえるメンバーのシャウトは、後継バンドの銀杏BOYZでも歌われるように日本の若者が抱える苛立ちや、苦しみ、悩みなどが入り混じった何とも言えない感情を代弁しています。
そして、二曲目の「夜王子と月の姫」はうってかわってGOING STEADYのメロディアスな部分が全面に押し出されている名曲です。
夜王子と月の姫の物語を甘く切なく歌い上げる、しっとりとしたラブソングになったこの曲は、誰かに恋してるときに思わず聴きたくなるラブソングです。
このように、峯田和伸の持つ激しさと優しさをたった2曲で濃密に堪能することができる仕上がりになっているのでポップパンクが好きな方も、銀杏BOYZからGOING STEADYを聞きにきた方にもお勧めできるシングルになっています!
カムラのおすすめソング
①若者たち
ゴイステ後期のスマッシュソング。荒削りを通り越して荒々しくなった疾走感あふれる曲は聞き手の感情を昂らせます。
ボルテージが最高潮になった瞬間にはじまるメロディアスなサビには思わず両手を突き上げて叫ばざるを得ないでしょう!
②夜王子と月の姫
ゴイステ史上最高級のラブソング。
誰かを好きになった時、好きな人と聞きたい曲です。
(ちなみにこのレビューを今日あげたのは歌詞中で月の姫が指輪を落とした9月の11日に合わせたかったからです!)
個人的にはアコースティックバージョンもより優しさが強調されていておすすめです!
GOING STEADY - 夜王子と月の姫 vs.the world (アコースティックギターVer.)
そんなこんなでレビューは終わりです!
この後に控えた旅行の準備してきます!
それでは!
ディスクレビューvol.22 ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ワールドワールドワールド」
どうもこんにちは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
秋の始めらしいアルバムを紹介してきていましたこのディスクレビュー!
今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ワールドワールドワールド」です!
コンピレーションアルバム『フィードバックファイル』を間に挟み、『ファンクラブ』から約2年ぶりとなる今作は前作の内省的な作風から一転して、明るく外の世界に向けて作られた内容になっており当時の後藤正文の日記からも2007年はこのアルバム制作に重点を置いていたことがよくわかるようになっています。
そんな今作を次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「アジカンのラバーソウル」です。
前々作「ソルファ」の大ヒットを受けて作られた前作「ファンクラブ」は、ヒットのプレッシャーからかこれまでとは対を成すような重くて暗く、複雑な構成が特徴的な内容の作品になっていました。
しかし、そうした流れの中で作られた今作は再び明るい要素を取り戻した作品になったように思えます。
ただし、「ソルファ」までとは違って勢いや荒削りな感情を剥き出しにして歌う明るさとはまた一つ違った明るさになっていて、なんというか一度闇落ちして帰ってきたような雰囲気を持っており、その違いは前作から続く複雑な曲構成を重んじる方向性が健在であることからも窺えるでしょう。
(初期の頃のアジカンらしさに愛着のある人にとっては、次回作「サーフブンガクカマクラ」までお預けとなってしまいます。)
曲の内容へと踏み込んでみますと、1曲目の「ワールドワールドワールド」からその成長を感じることができます。壮大に広がっていく新しい世界を連想させる幻想的なこの曲はこれまでのアジカンでは表現できなかったのではないでしょうか?
続く「アフターダーク」や「或る街の群青」では、彼らの織りなす世界観がストレートでいながら彼らがより洗練され、壮大になっていることを感じさせる内容になっており、少しずつではありますが確実に「本当の意味でのアジカンらしい曲」が見えてきたような曲になっています。
また、前述の「ワールドワールドワールド」や「トラベログ」のようにセッションの中から生み出された曲が多いことも今作の特徴と言えるでしょう。
これまで以上に後藤正文以外のメンバーの存在感が増してきて、より全員でバンドであるという感覚が強まってきたように思います。
以上から、初期のアジカンから一つ大人になった練度の高い邦ロックを堪能できる作品になっております!
カムラのオススメトラック
①ナイトダイビング
ASIAN KUNG FU GENERATION - Night Diving Live
中盤で光るいぶし銀な一曲。
イントロで聴けるディレイがかったギターで夜の海へと引き込まれる感覚に飲み込まれます。
この曲のMVPといえば間違いなくギターの喜多さんで、間奏で聞ける気合い十分なギターソロだけでなく、持ち前のエンジェルボイスでゴッチと掛け合うなど曲を通して暴れ回っています!
②或る街の群青
Aru Machi no Gunjou 或る街の群青 - Asian Kung-Fu Generation [Sub Español] [HD]
シングルカットされた作品。
冒頭の明け方のようを思わせる静かな曲の入りから、ギターリフと共に激しく切り替わるところが洋楽好きにはたまらないのではないでしょうか?
爽快なサビはもちろんのこと、空を漂っているかのような浮遊感を持ったCメロ、更に穏やかに駆け抜けていくラスサビからアウトロにかけてまでどこを切り取っても心地いい作品になっています!
③新しい世界
Asian Kung-Fu Generation - Atarashii Sekai (Live)
筆者のイチ押し曲!
アルバムの締めくくりとして作られたこの曲は、最初から最後まで溌剌としたロックで突き抜けていきます。
タイトルのように悩みや苦しみを断ち切った先に見えてきたアジカンの新しい世界を感じさせる内容になっています!
以上アルバムレビューでした!
次回も今回に引き続き、アジカンのアルバムレビューをしていけたらなと思います。
それでは!
アルバム
ASIAN KUNG-FU GENERATION/ワールドワールドワールド
1.ワールド ワールド ワールド
2.アフターダーク
3.旅立つ君へ
4.ネオテニー
5.トラベログ
6.No.9
7.ナイトダイビング
8.ライカ
9.惑星
10.転がる岩、君に朝が降る
11.ワールド ワールド
12.或る街の群青
13.新しい世界
ディスクレビューvol.21 フジファブリック 「フジファブリック」
どうもこんばんは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
今回は前回に引き続き、フジファブリックのアルバム「フジファブリック」をディスクレビューします!
記念すべきフジファブリックのメジャーデビューアルバム。
「桜の季節」や「陽炎」、「赤黄色の金木犀」と言った名曲をひっさげ発表された今作を、次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「初期のフジファブリックの集大成」です。
フジファブリックは、ギターボーカルである志村正彦によって結成されたロックバンドです。
インディーズで2つの作品をリリースし、確実に知名度を高めたフジファブリックが、満を辞して発表したメジャーデビューアルバムということもあり、インディーズ時代のフジファブリックを詰め込んだ内容となっています。
今作の始まりを告げる「桜の季節」は、すっきりとして、それでいて癖になる独特なメロディは既に確立されていたことを確認させてくれます。
続く金澤ダイスケのキーボードがバリバリに鳴り響く「TAIFU」でも珍妙で癖になってたまりません!
他にも「追ってけ追ってけ」や「打ち上げ花火」、「TOKYO MIDNIGHT」といった個性が爆発するフジファブリック節が全開の曲達が、それぞれ単体ではバラバラに見えるのに、アルバム単位で見ればうまく纏まっているようになっています。これもプロデューサーを務めた片寄明人の手腕なのでしょうか…?
以上のようにフジファブリックのフレッシュで個性の溢れる作品になっているので、是非聞いてほしいです!
カムラのオススメトラック
①桜の季節
フジファブリック - 『桜の季節』 from 「Live at 富士五湖文化センター」
フジファブリックのデビューシングル。
ライブでは一曲目や最後の曲として演奏されることが多かった印象です。
桜ソングに良くある、「別れ」をテーマにした作品ながら、妄想にふけるような不思議な要素を残しているところがフジファブリックらしいですね!
②TAIFU
全編を通してキーボード・金澤ダイスケの個性が爆発した曲。
Bメロで聴ける「虹色赤色黒色白」のコーラスが妖美な匂いを感じさせてくれます。
③サボテンレコード
フジファブリック 「サボテンレコード」 Live at Hibiya Yaon
個人的なおすすめ曲!フジファブリックのアルバムに一曲は収録されているほのぼのとした雰囲気が漂う曲です。
野音での志村と山内のギターの掛け合いが聴けるアウトロは正に絶品そのものです!
以上アルバムレビューでした!
それでは!
フジファブリック/フジファブリック
1.桜の季節
2.TAIFU
3.陽炎
4.追ってけ追ってけ
5.打上げ花火
6.TOKYO MIDNIGHT
7.花
8.サボテンレコード
9.赤黄色の金木犀
10. 夜汽車
ディスクレビューvol.20 フジファブリック「FAB FOX」
どうもこんにちは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
今回は前回に引き続き、フジファブリックのアルバム「FAB FOX」をディスクレビューします!
前作「フジファブリック」から1年ぶりにリリースしたメジャー2ndアルバム。
「虹」や「銀河」、「茜色の夕日」と言った現在でもファンの間で根強い人気を誇る名曲が揃った今作を、次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「名作への布石」です。
前作「フジファブリック」では、メジャーデビュー作ということもあり、インディーズ時代のフジファブリックを詰め込んだ始めからアクセル全開の内容となっていました。
そうした中で作られた今作はセルフプロデュースで作られ、より自分たちのことを思うように表現しようと苦心した作品になっているように思います。
一曲目の「モノノケハカランダ」で聞くことができる山内総一郎のへんてこなギターリフは前作の「TAIFU」の流れを受け継いでいるように思います。
それでは前作のパート2になっているかと言うとそうではありません。
続く洋楽ロックのような「地平線を越えて」やのんびりとした曲調の「ベースボールは終わらない」、更にはバラード調の「水飴と綿飴」といったようにバンドの可能性を試すかのように、色んな要素が寄せ集められてつくられているように感じます。
また、悩みを振り切るかのように音が重くプレッシャーのかかったような演奏になってることも今作の特徴と言えるでしょう。
そうは言っても「虹」、「Birthday」、「茜色の夕日」といった終盤にかけての名曲達はバンドの魅力を存分に味合わせてくれる内容になっているところがフジファブリックの強さだなと思うのでした。
以上のようにフジファブリックの持つ様々な要素を聞くことができる作品になっているので、是非聞いてほしいです!
カムラのオススメトラック
①虹
フジファブリックでも人気曲の一つ。
ライブでは一曲目や最後の曲として演奏されることが多かった印象です。
2番のAメロからサビにかけての必要なフレーズを最小限のパートが演奏するという引き算の構成を得意としたフジファブリックの真骨頂が聴ける名曲になっています。
②茜色の夕日
フジファブリックの代表曲。
キーボード・金澤ダイスケの印象的なイントロが特徴の曲。
この曲は、ボーカルの志村正彦が上京してすぐに書いた曲ということでメンバーにとってもファンにとっても大切な曲となっています。(何度かリメイクされていることからもそれが伺えますね)
特に次回作、「Teenager」のツアーファイナルである富士五湖センターにおける演奏は涙なしでは見ることができません!!
③ベースボールは終わらない
個人的なおすすめ曲!全体的にほのぼのとした雰囲気が漂うこの曲は、日曜の昼下がりに聞いていたくなります。
以上アルバムレビューでした!
それでは!
フジファブリック/FAB FOX
1.モノノケハカランダ
2.Sunny Morning
3.銀河(Album ver.)
4.唇のソレ
5.地平線を越えて
6.マリアとアマゾネス
7.ベースボールは終わらない
8.雨のマーチ
9.水飴と綿飴
10. 虹
11. Birthday
12. 茜色の夕日
ディスクレビューvol.19 フジファブリック/Teenager
どうもこんにちは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
いよいよ夏が終わるこの時期にお届けしますのは、フジファブリックの「Teenager」です!
フジファブリックが2008年に出した今作は、メジャー3rdアルバムにして志村正彦期における最重要作!
「銀河」や「茜色の夕日」と言った曲代表曲が揃い、フジファブリックが織りなす独自の世界観を披露したことから一躍知名度を上げた前作「FAB FOX」から約2年2ヶ月。
志村正彦自身にとっても傑作となった今作を、次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「フジファブリックの集大成」です。
フジファブリックは、ボーカル兼ギターの志村正彦が持つ独特な世界観をキーボード・金澤ダイスケとベース・加藤慎一、ギター・山内総一郎らによってあれこれと味付けがされ、ポップでエキセントリックな音楽を生み出してきました!
そうした中で、新たにユニコーンとの活動でも有名なマイケル河合をプロデューサーに迎えて作られた今作は、前作よりも壮大かつシンプル、それでいてよりポップに昇華した音楽を聞くことができます!
ギタリスト・山内総一郎のハウリング音から始まる一曲目「ペダル」はこれまでになかったフジファブリックの側面をみることができます。遥か山のてっぺんから聞こえてくるような志村のボーカルに延々と続く山内のアルペジオは思わずトランス状態になりそうな気分になります。(個人的に少しThe BeatlesのTommorow Never Knowsを連想したりします)
徐々に大きく、手数が増えていく今回からサポートドラマーになった城戸さんのドラムは前作よりも壮大で爽やかな感覚にさせてくれます。
続く「記念写真」や「B.O.I.P.」では山内やベーシスト加藤慎一の特徴がより如実に現れた曲になっており、バンドの連帯感、一体感がより強まってきていることを感じさせてくれます。
また、今作では「Surfer King」や「パッション・フルーツ」などを筆頭に全編を通して、リバーブやモジュレーション、ディレイなど奥行きを感じさせる空間系のエフェクターやバンドサウンド以外の楽器(トランペットなど)が頻繁に登場することが特徴になっているといえます。
そして「若者のすべて」、「星降る夜になったら」といった曲では、よりアレンジに磨きがかかったことで儚く、胸を揺さぶるフジファブリックの叙情的な面がますます強くなっており涙なしには聞くことができません。
以上のことから、志村正彦時代のフジファブリックの世界観を存分に堪能できる傑作になっているので、ポップロック好きな方は是非一度は聞いてほしい作品になっています!
カムラのオススメトラック
①若者のすべて
フジファブリック (Fujifabric) - 若者のすべて(Wakamono No Subete)
フジファブリックの最高傑作。
もはや言葉で語ることすら勿体無いと思えるこの曲は、夏の終わりの儚く若い瞬間を捉えており後にいつまでも深い余韻を与えてくれます。
②Surfer King
今作ではちょっと異色なアップテンポソング。リバーブがかったギターやドラムで夏!!!というイメージをこれでもかとぶつけてくるこの曲はこっちもハイテンションじゃないとやってらんなくなります!
PVで謎の空手家おじさんが出てくるのが子供心ながらに意味不明で笑けてしまいました。
③星降る夜になったら
フジファブリック『星降る夜になったら』(富士五湖文化センター)
筆者のおすすめ曲。ってか1番好きな曲。
エフェクターを駆使したキーボードやギターが空間を支配し、まるではるか雲の上に登っていってしまいそうな甘く切なく、脆く儚い世界観を完璧に表現しきっています。急にテンポが変わり、志村のボーカルとキーボードだけになるCメロはこぼれ落ちていく星のようで、この表現こそ引き算の美学!これぞフジファブリック!!最高!
(何故だか次作・Chronicleよりもこの曲の方が志村正彦の死を連想してしまい胸が苦しくなります…)
以上アルバムレビューでした!
それでは!
フジファブリック/Teenager
1.ペダル
2.記念写真
3.B.O.I.P.
4.若者のすべて
5.Chocolate Panic
6.Strawberry Shortcakes
7.Surfer King
8.ロマネ
9.パッション・フルーツ
10.東京炎上 <Album Mix>
11.まばたき
12.星降る夜になったら
13.TEENAGER
ディスクレビューvol.18 ストレイテナー「COLD DISC」
どうもこんにちは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
今回は夏の終わりにピッタリなアルバム、ストレイテナーの「Cold Disc」です!
ストレイテナーが2016年に出した今作は、9thアルバムにして(筆者個人的に)史上最高傑作!
「冬の太陽」や「The World Record」と言った曲でテナーらしさを残しながら更なる可能性を模索した前作「Behind The Scene」から約2年。
メンバー自身も傑作と称した今作を、次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「ストレイテナー4人時代の最高傑作」です!
ストレイテナーは、90年代の洋楽インディー・ロックから影響を受けた音楽が特徴となった3人時代から腕利きのリードギター・大山純(ex.ART-SCHOOL)の加入によってより際限なく自身らの世界を構築することが可能になり、真にストレイテナーらしい音楽を模索してきました。
そんな中で今作はストレイテナーがついに「ストレイテナーらしさ」を見つけ、それをよりポップに昇華した音楽を聞くことができます!
動き回るベースラインと煌びやかなギターサウンドが特徴の一曲目「原色」から早速その真価が発揮されています!
そして続く今作のキー曲「シーグラス」はバンドの持ち味が存分に発揮された名曲中の名曲になっています!(後述)
その他にも洋楽の影響をモロに受けていた初期の頃を彷彿とさせる「Dark City」や「Goodnight,Liar Bird」から「DAY TO DAY」、「Alternative Dancer」といった踊れるアップテンポ曲、更には「NO 〜命の跡に咲いた花〜」や「覚星」のような聞かせる曲まで全ての曲の完成度が抜群なものになっており、キャリアを通しても随一の出来になっています。
以上のことから、3人時代の名作「Dear Deadman」に次ぐ
ストレイテナーの世界観を存分に堪能できる傑作になっているので、ストレイテナーを知ってる人も知らない人も是非一度は聞いてほしい作品になっています!
カムラのオススメトラック
①原色
映画の主題歌にタイアップされたこの曲は幻想的なメロディと強力なビートが共存した仕上がりになっています。
以前までの作品では時折いき過ぎてしまうこともあった(だが、それが良い!)ベースひなっちのエフェクトてんこ盛りのベースが落ち着き(?)を見せ、「必要なところに必要なだけ最高のエフェクト、フレーズをかける」ことに成功していることもこの曲を名作たらしめていると思いますので是非試聴してみてください!
②シーグラス
今作で最も「今のストレイテナー」の旨味をこれでもかと詰め込んだ名曲中の名曲。
ボーカル・ホリエアツシの歌から始まり、シンプルながらパワフルなドラムとベースのスラップが海辺を連想させる綺麗な音楽に心地よいアクセントをつけております。
それに加えて、OJの寄せては返す波のようにコロコロと表情を変えていくギターはこの4人だからこそ出せるサウンドなのだと思います。
③alternative dancer
ストレイテナー「Alternative Dancer」from Blu-ray/DVD「Step Into My World TOUR 2016」
ストレイテナーでも屈指のダンスナンバー。
ストレイテナーのダンスナンバーというと「killer tune」を連想される方は多いと思いますが、あちらが「激しく躍り狂える曲」であるのに対して、こちらは「お洒落に酔いしれる曲」と言えるでしょう。
以上アルバムレビューでした!
次回もまた夏らしいアルバムをレビューできたらと思います!
それでは!
ストレイテナー/COLD DISC
1.原色
2.シーグラス
3.Curtain Falls
4.Alternative Dancer
5.Dark City
6.DAY TO DAY
7.No〜命の跡に咲いた花〜
8.The Plase Has No Name
9.Goodnight Liar Bird
10.Forse
11.覚星
[江ノ島・鎌倉フリーパスで行く]日帰りサーフブンガクカマクラの旅:まとめ編
みなさんこんにちは!カムラです。
今日は、昨日まで行ってきた江ノ島・鎌倉の旅行記のまとめを書こうと思います。
新宿〜江ノ島・鎌倉までの道のり
今回の旅程は
新宿→小田急藤沢駅に行き、江ノ島・鎌倉フリーパスを購入→江ノ電藤沢駅→(湘南海岸公園駅→)江ノ島駅→長谷駅〜由比ヶ浜を通過しつつ由比ヶ浜駅→鎌倉
といった感じでした。
参考までに今回利用した道路の料金表なども掲載します。
往復1520円
内訳
藤沢駅〜乗り放題 660円
フリーパス無しで新宿→藤沢に行くと片道600円×2=1200円かかる為、400円ほどお得に。
施設
今回行った施設の紹介です。
江ノ島水族館
藤沢市の水族館。新江ノ島水族館は、2004年のオープン以来「わくわくドキドキ大冒険水族館」をコンセプトに掲げ、遊びながら学ぶことのできる「エデュテインメント型水族館」として日々多くの来館者に驚きや感動を届けます。館内では、なんと591種類2万7613匹もの海の生き物を見ることができます。
個人的にはクラゲの生態をまとめたコーナーが幻想的で見惚れてしまうほど好きになりました!
営業時間
9:00〜17:00(16:00最終入園時間)※季節により変動
料金表
大人 2400円
高校生 1500円
小中学生 1000円
幼児 600円
※(追記)2020年4月より値上げするそうです。
詳しくは以下の写真より
・奥津宮の多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)
・中津宮の市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)
・辺津宮の田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)と呼ばれる三女神を祀った神社で、幸福・財宝を招き、芸道上達の功徳を持つスピリチュアルスポットとして人気だそうです。
また、この江島神社の頂上まで登る道には、江ノ島エスカーという名所があります。江ノ島エスカーは江島神社に設置されているエスカレーターで、当時では初めて屋外に設置された有料エスカレーターとして話題になったそうです。
料金表
大人 360円
子供 180円
※今回使いませんでしたが、灯台展望セット券という、江ノ島をお得に回れる切符もあるそうです。
大人 750円
子供 370円
鎌倉大仏像
皆さんご存知鎌倉のシンボル。長谷の大仏とも。
正式名称は高徳院・阿弥陀如来像で、鎌倉時代当時の形をほぼそのまま残していることから鎌倉で唯一国宝に指定されております。
※行ってからわかったことですが、長谷駅からの方が由比ヶ浜駅からより近かったので藤沢駅からいらっしゃる方は長谷駅で降りて先に観に行くことをおすすめします!
この天満宮は、康平6年(1063)源頼義が奥州を平定して鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際してご加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺にお祀りしたのが始まりだそうです。
由比ヶ浜から八幡宮にかけて続く若宮大路は、参拝客の身も心も引き締めさせてくれます。
和茶房 鎌倉 さくらの夢見屋 小町通り本店
地元でもトップクラスの人気を誇るお団子屋さん。
目移りするほど並んだカラフルなお団子達は、スイーツ好きにはたまりません。特に季節毎に出てくる期間限定メニューのお団子は見逃す手なんてありえません!
主なメニュー
・みたらし
・しょうゆ
・きなこ
(以下夏季限定)
・あんず餡 ¥180
・うめ餡 ¥180
・もも餡 ¥180
もみじ茶屋 鎌倉小町通り
今回唯一のご飯処です。名前の通り、和菓子茶屋として一息つけるようにもなっており、宇治抹茶ティラミスが人気スイーツだそう。
釜揚げ湘南しらすと三崎マグロ中トロおひつごはん が筆者イチ押しです!
・釜揚げ湘南しらすと三崎マグロ中トロおひつごはん 1690円(+税)
・宇治抹茶ティラミス 単品600円(+税) ドリンクセット900円(+税)
・白玉あんみつ 940円(+税)
・宇治抹茶パフェ 990円(+税)
・どら焼き各種(持ち帰り専用) 370円(+税)~抹茶ドリンク各種 550円(+税)~
以上で今回の江ノ島・鎌倉旅行の締めくくりとします。
それでは!
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