ディスクレビューvol.22 ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ワールドワールドワールド」
どうもこんにちは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
秋の始めらしいアルバムを紹介してきていましたこのディスクレビュー!
今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ワールドワールドワールド」です!
コンピレーションアルバム『フィードバックファイル』を間に挟み、『ファンクラブ』から約2年ぶりとなる今作は前作の内省的な作風から一転して、明るく外の世界に向けて作られた内容になっており当時の後藤正文の日記からも2007年はこのアルバム制作に重点を置いていたことがよくわかるようになっています。
そんな今作を次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「アジカンのラバーソウル」です。
前々作「ソルファ」の大ヒットを受けて作られた前作「ファンクラブ」は、ヒットのプレッシャーからかこれまでとは対を成すような重くて暗く、複雑な構成が特徴的な内容の作品になっていました。
しかし、そうした流れの中で作られた今作は再び明るい要素を取り戻した作品になったように思えます。
ただし、「ソルファ」までとは違って勢いや荒削りな感情を剥き出しにして歌う明るさとはまた一つ違った明るさになっていて、なんというか一度闇落ちして帰ってきたような雰囲気を持っており、その違いは前作から続く複雑な曲構成を重んじる方向性が健在であることからも窺えるでしょう。
(初期の頃のアジカンらしさに愛着のある人にとっては、次回作「サーフブンガクカマクラ」までお預けとなってしまいます。)
曲の内容へと踏み込んでみますと、1曲目の「ワールドワールドワールド」からその成長を感じることができます。壮大に広がっていく新しい世界を連想させる幻想的なこの曲はこれまでのアジカンでは表現できなかったのではないでしょうか?
続く「アフターダーク」や「或る街の群青」では、彼らの織りなす世界観がストレートでいながら彼らがより洗練され、壮大になっていることを感じさせる内容になっており、少しずつではありますが確実に「本当の意味でのアジカンらしい曲」が見えてきたような曲になっています。
また、前述の「ワールドワールドワールド」や「トラベログ」のようにセッションの中から生み出された曲が多いことも今作の特徴と言えるでしょう。
これまで以上に後藤正文以外のメンバーの存在感が増してきて、より全員でバンドであるという感覚が強まってきたように思います。
以上から、初期のアジカンから一つ大人になった練度の高い邦ロックを堪能できる作品になっております!
カムラのオススメトラック
①ナイトダイビング
ASIAN KUNG FU GENERATION - Night Diving Live
中盤で光るいぶし銀な一曲。
イントロで聴けるディレイがかったギターで夜の海へと引き込まれる感覚に飲み込まれます。
この曲のMVPといえば間違いなくギターの喜多さんで、間奏で聞ける気合い十分なギターソロだけでなく、持ち前のエンジェルボイスでゴッチと掛け合うなど曲を通して暴れ回っています!
②或る街の群青
Aru Machi no Gunjou 或る街の群青 - Asian Kung-Fu Generation [Sub Español] [HD]
シングルカットされた作品。
冒頭の明け方のようを思わせる静かな曲の入りから、ギターリフと共に激しく切り替わるところが洋楽好きにはたまらないのではないでしょうか?
爽快なサビはもちろんのこと、空を漂っているかのような浮遊感を持ったCメロ、更に穏やかに駆け抜けていくラスサビからアウトロにかけてまでどこを切り取っても心地いい作品になっています!
③新しい世界
Asian Kung-Fu Generation - Atarashii Sekai (Live)
筆者のイチ押し曲!
アルバムの締めくくりとして作られたこの曲は、最初から最後まで溌剌としたロックで突き抜けていきます。
タイトルのように悩みや苦しみを断ち切った先に見えてきたアジカンの新しい世界を感じさせる内容になっています!
以上アルバムレビューでした!
次回も今回に引き続き、アジカンのアルバムレビューをしていけたらなと思います。
それでは!
アルバム
ASIAN KUNG-FU GENERATION/ワールドワールドワールド
1.ワールド ワールド ワールド
2.アフターダーク
3.旅立つ君へ
4.ネオテニー
5.トラベログ
6.No.9
7.ナイトダイビング
8.ライカ
9.惑星
10.転がる岩、君に朝が降る
11.ワールド ワールド
12.或る街の群青
13.新しい世界