[名ギタリスト紹介]エリック・クラプトン[哀愁のスローハンド]
どうもこんにちは!カムラです!
今回の名ギタリスト紹介は、前回に引き続き初代三大ギタリストの紹介をしたいと思います!
今回紹介するのは、「スローハンド」として知られるこの男!
エリック・クラプトンについてです!
エリック・クラプトンとは?
エリック・クラプトンは、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジらと共に「三大ギタリスト」と称されたギタリストで、これまでThe YardbirdsやCream、ソロと長年に渡って活躍してきた人です。
生い立ち
1945年3月30日、イギリス生まれのギタリストです。
10代になると、マディ・ウォーターズやロバート・ジョンソンといった名ブルース・プレイヤーを聞くようになり、ブルースにのめりこみます。10代後半の頃には、ルースターズらいくつかのバンドでの活動を経験するようになり、その後、初代ギターの脱退したヤードバーズに迎え入れられます。このヤードバーズというバンドは、既にロンドンのクラブで高い評価を得ていたバンドでクラプトンの加入と共に更に力を増していきます。
ヤードバーズ時代のクラプトン(左から2人目)
ヤードバーズでのプレイが認められ、一躍憧れのギターヒーローとして注目されるようになったクラプトンでしたが、ポップ路線に変更したバンドメンバーと衝突するようになり、1965年にバンドを去ることになりました。
この時の後任が後に「三大ギタリスト」として並び称されるジェフ・ベック、ジミー・ペイジです。
ヤードバーズを脱退したクラプトンはよりブルースを探求する為に、ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズに参加。往年のブルース・プレイヤーたちの曲を盛んに演奏しました。
この頃のクラプトンは神がかりとすら思えるレベルのギタープレイを行なっていたことからロンドン中で「CLAPTON IS GOD(クラプトンは神だ)」の落書きが現れるほど神格化されるようになりました。
その後、ジャック・ブルースやジンジャー・ベイカーらと「クリーム」を結成。
各々のアドリブとアドリブをぶつけ合うような凄まじい演奏で人気をより強固なものにしましたが、メンバーの人間関係の悪化により、解散。
スティーブ・ウィンウッドらとブラインド・フェイスを結成するも長続きせず、薬と酒浸りに手を染めてしまいます。
こうした流れを断ち切ろうと、クラプトンは新天地を求めてアメリカに渡り、デレク・アンド・ザ・ドミノスを結成。デュアン・オールマンをゲストに迎えた名曲「愛しのレイラ」を大ヒットさせます。
しかしここでもバンドは長続きせず、とうとう隠遁生活を始めてしまうのでした。
そんなクラプトンを救う為、友人達が動き出します。ピート・タウンゼントらの働きかけでライブ活動に復帰すると、薬と酒を克服し、1974年発表の『461 Ocean Boulevard』でシーンに復帰します。
その後しばらくは順調な活動をしていたクラプトンでしたが、そんな彼をまたもや悲劇が襲います。
最愛の息子との突然の別れという悲しみを乗り越え、息子への鎮魂歌として「Tears In Heaven」を作ると、世界的に大ヒット。
これ以降はアンプラグドと呼ばれるアコースティックセットでの演奏で新境地を開くと共に幅広いファン層を獲得し、「チェンジ・ザ・ワールド」などヒットにも恵まれました。
以降のクラプトンはB.B.キングら尊敬するブルースマンや再結成したクリームで活動する一方でドラッグ更生診療所「クロスロードセンター」への資金捻出のために資金集めを目的としたチャリティ・コンサートの「クロスロードフェスティバル」の開催やオークションへのギター出品など慈善活動にも力を入れております。
近年では、長年の活動が認められ、2015年に『ブルースの殿堂』入りを果たした他、エドシーランら数々のプレイヤーたちと共演しています。
エリック・クラプトンの使用ギター
そんなエリック・クラプトンの、使用機材を紹介していきます!
エレキギター
Fender Telecaster
(ブラインドフェイス時代のテレキャスター)
エリック・クラプトンと言えばフェンダー・ストラトキャスターを使用しているイメージの人が多そうですが、最初に表舞台で弾いていたギターは実はフェンダー・テレキャスターなのです。
ヤードバーズのメンバーとしてデビューした当時のクラプトンはオレンジがかったテレキャスターを愛用していたようです。
ヤードバーズ脱退後も、ストラトキャスターのネックを打ち込んだ特殊なテレキャスターをスティーヴ・ウィンウッドらとのブラインド・フェイスで使用したり、ソロ活動でテレキャスターを使用していたりと日陰者ながらクラプトン作品を支えて続けていました。
テレキャスター時代のクラプトン
Gibson Les Paul Standard
次にクラプトンが使用したギターはギブソン・レスポールです!
レスポールは、ヤードバーズを脱退した後、ブルースブレイカーズやクリームの頃にクラプトンが使用していました。
ストラトキャスター使用以前のクラプトンの特徴だった、トーンを絞ってマーシャルのアンプで歪ませて作る「ウーマントーン」と呼ばれるサウンドはこのレスポール時代に確立されたとされています。
ちなみにこの「ウーマントーン」は、その甘く暖かい音の作りが女性の声のように感じられたからそう名付けられました!
その後、1968年頃友人である当時ビートルズだったジョージ・ハリスンに譲られることになります。
この時、赤色のペイントが施されていたことからコメディアンのルシル・ポールにちなんで「ルーシー」と名付けられました。
ちなみに、同年発表のThe Beatles「White Album」の楽曲「While My Guitar Gently Weeps」で客演したクラプトンが魅せたギターソロはこのギターを使って1テイクで録られたものだそうです!
レスポール時代のクラプトン
Gibson SG
クリーム初期のメインギターとして最も有名なのがこのギブソンSGでしょう。
このギターは、クラプトンがクリームに在籍していた1967年頃に入手したギターで、「ザ・フール」と呼ばれる芸術集団によってサイケデリックなペイントが施されました。
ペイントの通り、「カラフル・クリーム」などのサイケデリック期を代表する作品やライブで大活躍しました。
SGを弾くクラプトン
Gibson ES-335
クリーム後期のメインギターとして活躍したギターです。
このギターの購入自体は1964年、クラプトンがまだヤードバーズに在籍していた頃にされていました。
ギブソンのESシリーズと言えば、B.B.キングやチャックベリーなど、ロックンロールやブルースの第一線で活躍していた人達に好んで使用されたギターです。
クラプトンも同様にサイケデリック・ロックから原点回帰したブルース・ロックを演奏する時に演奏しており、「crossroad」などで名演を行いました。
また、クリーム解散後も時折使用している姿が見られていることから「影のメインギター」として隠れた人気を誇っていたようです。
ES-335を弾くクラプトン(ロックンロール・サーカス限定バンド、ダーティ・マックにて)
Fender Stratcaster
バンドよろしく渡り鳥のようにギターを替えてきたクラプトンでしたが、最終的にたどり着いたのがフェンダー・ストラトキャスターでした。
1960年代後半に初めてこのギターを手に入れたクラプトンは、1970年頃からの活動で本格的に使用するようになります。
1970年に発表されたデレク・アンド・ザ・ドミノスやソロアルバムで、2トーン・サン・バーストのストラトキャスター(通称ブラウニー)を使用すると「いとしのレイラ」といったヒット曲を出しました。
ソロアルバムのジャケット。足元にあるのがブラウニー
その後は、ブラッキーと呼ばれる数本のギターの良いパーツを繋ぎ合わせて作られた黒いストラトキャスターをメインギターとして、ピックアップやパーツを取り換えながら長年使用していきました。
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ブラッキーを演奏するクラプトン
エリック・クラプトンの奏法、音楽性!
エリック・クラプトンのギタープレイは、ヤードバーズ、ブルース・ブレイカーズ、クリームにブラインド・フェイス、デレク・アンド・ザ・ドミノスなど様々なバンドを転々としている反面、基本的に一貫してブルースを中枢に据えた演奏スタイルを行ってきました。
特にビブラートやチョーキングを多用し、音に深みを持たせる技術に長けており、奏でる音より動かす手がゆっくりに見えることから「スローハンド」と呼ばれる由縁の一つになったほどとされています。
そして何より、ボーカリストとしての才能にも恵まれた点は他の三大ギタリストとの決定的な違いです。
クラプトンはクリームに在籍していた1968年頃、所属していたレコード会社の意向もあり本格的にボーカルをとるようになります。
当時はあまりボーカルを取りたがらなかったそうですが、ソロになる頃には自身でボーカルを取るようになり、年々深みを増していく嗄れていながら甘さも感じさせる歌声でヒット作を出していくようになりました。
一説によると、1969年頃に夫婦デュオのデラニー&ボニーのツアーに同行していた頃に、奥さんのボニーがクラプトンの歌声を評価し、中々歌いたがらなかったクラプトンがボーカルをとることを後押ししたそうです。
百聞は一聴に如かず!次項からはエリック・クラプトンの代表曲やおすすめアルバムを紹介していこうと思います!
エリック・クラプトンの代表曲!
1.Crossroad
バンド活動の頃のクラプトンを聴きたい人はこれ!
この頃はギタリストとして脂が乗り出した頃で、ベースのジャック・ブルースやドラムのジンジャー・ベイカーといった名うてのプレイヤー達とぶつかり合うような凄まじい演奏と、この時期特有の「ウーマントーン」と呼ばれる音作りを堪能することができる名曲となっています。
カバー元は伝説のブルースマンと名高い「悪魔に魂を売った男」、ロバート・ジョンソンの「Crossroad Blues」。
2.Layla
Eric Clapton & Friends - Layla (Live At Montreux 1986)
クラプトンのキャリアを通しての代表作。
デレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバム「Layla and Other Assorted Love Songs」収録。
20代以上の人なら一度はCMで聞いたことがあるキャッチーなリフで始まるこの曲は親友ジョージ・ハリスンの当時の奥さんパティ・ボイドに捧げられた曲です。
曲の終盤で聞こえるギターソロの掛け合いは、ゲストで参加していたデュアン・オールマンのギターが相方となっています。
個人的には80年代、フィル・コリンズや盟友ネイザン・イーストをリズム隊に迎えていた頃のバージョンが1番聞き応えがあって大好きです。
3.Wonderful Tonight
Eric Clapton Wonderful Tonight Live greatest version
ソロ活動の頃を堪能したい方はこちら。
紆余曲折あった後に結ばれたパティ・ボイドとの幸福な生活を描いた楽曲。
イントロで聞かれるギターリフは、クラプトンの必殺技、ビブラートやチョーキングが駆使されており、「スローハンド」の異名の通りのギタープレイが堪能できます。
4.Tears in Heaven
Eric Clapton - Tears In Heaven
ボーカリストとしてのクラプトンを堪能したい方はこれ!
哀愁のこもったギターフレーズから静かに始まる曲。
ハスキーかつ甘いクラプトンのボーカルとアコースティックギターの悲しさを感じさせるメロディが絡み合うこの曲は、幾多の困難や悲しみを乗り越えてきた男からしか出すことのできないものになっていると思います。
5.The Beatles 「While My Guitar Gently Weeps」
The Beatles - While My Guitar Gently Weeps
客演の多いクラプトンですが、特に有名なのはこちらです。
当時不仲で解散寸前に陥っていたビートルズがホワイトアルバムを制作していた頃、レコーディングに散漫な態度を取るようになっていたメンバーにテコ入れをする為にジョージ・ハリスンがクラプトンを招聘したことで実現した曲。曲の間で聴けるギターソロはたったの1テイクで、クラプトンからジョージの手に渡ったレスポールを使って演奏されたそうです。(因みにクラプトンはビートルズのメンバーと演奏できたことに舞い上がって当時の記憶がほとんどないんだとか)
また、この曲はジョージとクラプトンを繋ぐ絆のような曲とも言うことができ、親友ジョージの追悼コンサートで息子のダニー・ハリスンと演奏する姿は胸に来るものがありました。
While My Guitar Gently Weeps (Taken from Concert For George)
こんな感じで今回は終わりです!
次回はジェフ・ベックについて書ければと思っています!それでは!