どうもこんにちは、カムラです!
ディスクレビューのコーナーです。
いよいよ夏が終わるこの時期にお届けしますのは、フジファブリックの「Teenager」です!
フジファブリックが2008年に出した今作は、メジャー3rdアルバムにして志村正彦期における最重要作!
「銀河」や「茜色の夕日」と言った曲代表曲が揃い、フジファブリックが織りなす独自の世界観を披露したことから一躍知名度を上げた前作「FAB FOX」から約2年2ヶ月。
志村正彦自身にとっても傑作となった今作を、次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「フジファブリックの集大成」です。
フジファブリックは、ボーカル兼ギターの志村正彦が持つ独特な世界観をキーボード・金澤ダイスケとベース・加藤慎一、ギター・山内総一郎らによってあれこれと味付けがされ、ポップでエキセントリックな音楽を生み出してきました!
そうした中で、新たにユニコーンとの活動でも有名なマイケル河合をプロデューサーに迎えて作られた今作は、前作よりも壮大かつシンプル、それでいてよりポップに昇華した音楽を聞くことができます!
ギタリスト・山内総一郎のハウリング音から始まる一曲目「ペダル」はこれまでになかったフジファブリックの側面をみることができます。遥か山のてっぺんから聞こえてくるような志村のボーカルに延々と続く山内のアルペジオは思わずトランス状態になりそうな気分になります。(個人的に少しThe BeatlesのTommorow Never Knowsを連想したりします)
徐々に大きく、手数が増えていく今回からサポートドラマーになった城戸さんのドラムは前作よりも壮大で爽やかな感覚にさせてくれます。
続く「記念写真」や「B.O.I.P.」では山内やベーシスト加藤慎一の特徴がより如実に現れた曲になっており、バンドの連帯感、一体感がより強まってきていることを感じさせてくれます。
また、今作では「Surfer King」や「パッション・フルーツ」などを筆頭に全編を通して、リバーブやモジュレーション、ディレイなど奥行きを感じさせる空間系のエフェクターやバンドサウンド以外の楽器(トランペットなど)が頻繁に登場することが特徴になっているといえます。
そして「若者のすべて」、「星降る夜になったら」といった曲では、よりアレンジに磨きがかかったことで儚く、胸を揺さぶるフジファブリックの叙情的な面がますます強くなっており涙なしには聞くことができません。
以上のことから、志村正彦時代のフジファブリックの世界観を存分に堪能できる傑作になっているので、ポップロック好きな方は是非一度は聞いてほしい作品になっています!
カムラのオススメトラック
①若者のすべて
フジファブリック (Fujifabric) - 若者のすべて(Wakamono No Subete)
フジファブリックの最高傑作。
もはや言葉で語ることすら勿体無いと思えるこの曲は、夏の終わりの儚く若い瞬間を捉えており後にいつまでも深い余韻を与えてくれます。
②Surfer King
今作ではちょっと異色なアップテンポソング。リバーブがかったギターやドラムで夏!!!というイメージをこれでもかとぶつけてくるこの曲はこっちもハイテンションじゃないとやってらんなくなります!
PVで謎の空手家おじさんが出てくるのが子供心ながらに意味不明で笑けてしまいました。
③星降る夜になったら
フジファブリック『星降る夜になったら』(富士五湖文化センター)
筆者のおすすめ曲。ってか1番好きな曲。
エフェクターを駆使したキーボードやギターが空間を支配し、まるではるか雲の上に登っていってしまいそうな甘く切なく、脆く儚い世界観を完璧に表現しきっています。急にテンポが変わり、志村のボーカルとキーボードだけになるCメロはこぼれ落ちていく星のようで、この表現こそ引き算の美学!これぞフジファブリック!!最高!
(何故だか次作・Chronicleよりもこの曲の方が志村正彦の死を連想してしまい胸が苦しくなります…)
以上アルバムレビューでした!
それでは!
フジファブリック/Teenager
1.ペダル
2.記念写真
3.B.O.I.P.
4.若者のすべて
5.Chocolate Panic
6.Strawberry Shortcakes
7.Surfer King
8.ロマネ
9.パッション・フルーツ
10.東京炎上 <Album Mix>
11.まばたき
12.星降る夜になったら
13.TEENAGER