[名ギタリスト紹介]ジミー・ペイジ[稀代のリフメイカー]
どうもこんにちは!カムラです!
今回の名ギタリスト紹介からは、初代三大ギタリストの紹介をしたいと思います!
今回紹介するのは、稀代のリフメイカーとして知られるこの男!
ジミー・ペイジについてです!
ジミー・ペイジとは?
ジミー・ペイジは、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンらと共に「三大ギタリスト」と称され、現在でも世界最高のロックバンドとの呼び声の高い「Led Zeppelin」でギター兼リーダー、更にはプロデューサーまで担当した人です。
生い立ち
1944年1月9日、イギリスのミドルセックス州生まれ。
13歳でギターを始めると、19歳の頃にはセッション・ギタリストとして活動し始めます。
セッション・ギタリスト時代の時点で売れっ子になっており、師匠格のビッグ・ジム・サリヴァンと共にゼムの「Baby Please Don’t Go」や、ザ・フーの「I Can’t Explain」、マリアンヌ・フェイスフルの「As Tears Go By」といった作品に参加して大活躍していました。
またこの頃、後のレッド・ツェッペリンで共に活動をするベーシスト兼キーボーディストのジョン・ポール・ジョーンズとも知り合っていたそうです。
しかし、ジミーは徐々に裏方でのセッション活動よりも、パーマネントなバンドでのライブ活動を志ざすようになります。
そして1966年、ポール・サミュエル・スミスの脱退に伴い、以前は辞退したヤードバーズの加入要請を受け、待望のバンド活動を開始します。
加入当時はベースを担当していたのですが、前回の辞退時に推薦したギタリスト、ジェフ・ベックが扁桃腺炎を発症すると代役としてギタリストに転向。
ジェフ・ベック復帰後は「Stroll On」や「Happenings Ten Years Time Ago(幻の10年)」などと言った楽曲で強力なツイン・リード・ギターを披露しました。
(このヤードバーズというバンド、今回から紹介するエリック、ジェフ、ジミーら三大ギタリストが全員入れ替わり立ち替わりで参加していたバンドなんです…)
Yardbirds "Stroll On" (Blow Up (1966))
しかし、ジェフ・ベックの脱退や、他のメンバーの方向性、技術面の問題からの戦線離脱によって1968年には空中分解をしてしまいます。
唯一バンド継続に意欲のあったジミーは、ボーカルにバンド・オブ・ジョイで活動していたロバート・プラント、ドラマーにロバートの元バンドメイトのジョン・ボーナム、ベースに前述のように親交のあったジョン・ポール・ジョーンズを加え伝説のロックバンド、レッド・ツェッペリンを結成します。
1968年に「Led Zeppelin Ⅰ」でデビューすると、続く「Led Zeppelin II」では全英米一位を獲得、「Led Zeppelin IV」で音楽的にも揺るぎない地位を獲得するまでになります。
しかし、1980年ドラマー、ジョン・ボーナムの突然死によってレッド・ツェッペリンは解散。ジミーは半ば隠遁状態になってしまいます。
ツェッペリン解散後のペイジは、83年の「A.R.M.S」コンサートで表舞台に復帰、彼同様三大ギタリストのエリック・クラプトン、ジェフ・ベックと共演します。
その後はソロ活動の他にポール・ロジャースとのザ・ファームや元ディープ・パープルのデヴィッド・カヴァーデイルとのカヴァーデイル・ペイジ、ロバート・プラントとコラボしたペイジ&プラントなど様々な活動を行いました。
そして2000年以降は、ツェッペリンを敬愛するブラック・クロウズや、フー・ファイターズらとの共演で今なおシーンで活躍しています。
特に、2008年の北京オリンピックの閉会式で、ロンドンバスの上でレオナ・ルイスと共にレッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love」をパフォーマンスしたことは話題になりましたね!
ジミー・ペイジの使用ギター
そんなジミー・ペイジの、使用機材を紹介していきます!
ジミーと言えば、様々なタイプのエレキギターを使いこなし、幅広いジャンルの音楽を製作してきました。
エレキギター[珠玉の名器たち]
Fender Telecaster
ジミー・ペイジのバンド活動初期の中で、最も重要なギターと言えば、実はフェンダー・テレキャスターなのです。
ヤードバーズ時代、メインギターを切り替えたジェフ・ベックに譲ってもらって以降、レッドツェッペリンの全盛期に入るまでメインギターに据えられており、様々な舞台で活躍しました。
レッド・ツェッペリンの最高傑作として名高い「Stairway to Heaven(天国への階段)」における激情のギターソロが、テレキャスターによって演奏されたことは有名ですね!
その愛用具合はかなりの物で、ステッカーを貼りまくったり(画像上)、その後塗装を剥がし、ドラゴン柄にリフィニッシュしたり(画像下、通称ドラゴン・テレキャスター)とコロコロと見た目を変えました!
しかしそのペイントが災いして回路が破損、使用不可能になってしまいました…
Gibson Les Paul Standard
ジミーのギターと言えば、間違いなくギブソンのレスポールモデルです!
世界的に大ヒットしたロックバンド、レッド・ツェッペリン時代にメインギターとなったレスポールは、以降のキャリアにおいても重宝され、今ではトレードマークとなっております。
特に1969年にジョー・ウォルシュから譲り受けたものは「No.1」と呼ばれ、ペグ・ネック改造や、ピックアップ交換、ピックアップカバー取り外しなど様々な加工を行なって弾きやすさを追求し、現在まで愛用されております。再結成ライブでの「幻惑されて」で使われた事は有名ですね!
他にも、同様の改造を施した「No.2」、ストリングベンダーと呼ばれる音程を持ち上げる装置を換装した「No.3」など様々なレスポールを使用しています。
ストリングベンダー
Gibson・EDS-1275
様々なギターを使う事で有名なジミー・ペイジ。中でもレスポール、テレキャスターと並び有名かつ人気なギターは、このGibson・EDS-1275。
このギターはダブルネック・ギターと言うもので、長い方が12弦ギター、短い方が6弦ギターとなっており、バラードのような繊細で煌びやかなサウンドと、ギターソロのような骨太で聞き応えのあるサウンドを用途毎に一本で弾くことができることです。
つまり、「天国への階段」のように様々なスタイルが入り混じった超大作にうってつけなギターとなっております。
Danelectro 3021
ジミー・ペイジが使ったことで人気が出たギターです。主に、スライドギターを弾く際や、オープンチューニング、DADGADチューニングなどの変速チューニング曲用として使用されています。
本来このギターは芯がなく、チープなサウンドと評される事も少なくなく、ギターです。
そんなギターを使いこなし、独特で妖艶なサウンドに昇華した事はジミー・ペイジの技量を窺い知れましょう。
ライブでは「カシミール」のような異国情緒漂う壮大な楽曲で使用された事で有名ですね!
Fender Stratcaster
フェンダーならテレキャスターを使っているイメージが強いと思いますが、実はフェンダー・ストラトキャスターも使用しています。
このギターは70年代中盤頃に入手しており、「Over the Hills and Far Away」と言う楽曲で使われました。
表立った活躍としては、79年のネブワース公演での「In the Evening」が有名です。
アコースティック・ギター
Martin D-28
ヤードバーズ、レッドツェッペリンとエレキギター弾きとして注目されがちなジミーですが、アコースティックギターの名手でもあります。
中でも最も有名なのがこのMartin D-28。
楽曲では3枚目のアルバムから使用されるようになり、アールズ・コート公演での「Bron-Yr-Aur」と言うインスト曲で聞かれる鳴りの良いギターはこのギターで演奏されたものです。
他にも「Baby、I'm Gonna Leave You」のようなツェッペリン初期の楽曲ではGibson J-200と呼ばれるアコースティック・ギターにエレキ弦を張ったものが使われております。
ジミー・ペイジの奏法、音楽性!
ジミー・ペイジのギタープレイは、ブルースを基本にフォークやカントリーと言った様々なジャンルの音楽要素を吸収したものとなっています。
中でも繰り返し同じフレーズやスケールを弾きまくるラン奏法と呼ばれるプレイが持ち味で、荒削りと言われてしまうこともありますが、感情のこもった人間味あふれるギターが魅力的です。
また、前述のようにアコースティック・ギターの技術も非常に高く、「Baby、I'm Gonna Leave You」で心地よいギタープレイが見られます!
そして何より、アイデアマンとしても有名で、「heartbreaker」や、「Whole Lotta Love」、「Rock and Roll」と言った数々の名リフを産み出すだけでなく、ヴァイオリンの弓を使用したボウイング奏法や、DADGADチューニングやオープンチューニングといった変速チューニングなど、その後のロック界で使われる事になる様々なテクニックの先駆けとなっています。
他にもギブソン・レスポールを通常よりも長いストラップを用いて腰よりもかなり低い位置まで下げ、腕を伸ばした独特な姿勢で弾くことが特徴的で、ジョー・ペリーやスラッシュといった後続のギタリストに受け継がれ「レスポールは低い位置で弾くもの」という流行を生んだほどだったとされています。
ちなみに、ギターの位置を長くするようになった理由は「長いツアーの中で何か気分転換になるような事はないかと模索してどこまでギターを低くできるかに挑戦したくなったから」だそう。
「下げるところまで下げたら、今度は僕の腕が伸びちまったよ。」なんて言っていたとか。
百聞は一聴に如かず!次項からはジミー・ペイジの代表曲やおすすめアルバムを紹介していこうと思います!
ジミー・ペイジの代表曲!
1.Dazed and Confuzed
アイデアマンとしてのジミーが聞きたい人はこれ!
この曲は、ヤードバーズ後期から演奏し始めた曲で、レッド・ツェッペリンの時に完成されました。
テレキャスターとトーンベンダーというエフェクターを用いた禍々しいサウンドは唯一無二です。
Led Zeppelin - Dazed and Confused (London 1969 Live Good Quality)
ちょっとコナン君の犯罪シーンでかかる曲に似てますね
2.Communication Breakdown
エネルギッシュなジミーを聴きたい人はこれ!
1stアルバム「Led Zeppelin Ⅰ」収録。キャッチーなリフに勢い溢れるギターソロ。わずか2分半で駆け抜ける曲。とはいえ、この中にジミーの良さが凝縮されているので一聴の価値ありです!
Led Zeppelin - Communication Breakdown "1969" [ Good Quality ]
3.Stairway to Heaven
ツェッペリン時代の最高傑作と言えばこれ!
哀愁のこもったギターリフから静かに始まり、曲が進むに連れて徐々に楽器隊が合流。そして激情のギターソロ!からのボーカル、ロバートのハイトーンが光る感動の大サビへ!大作とはかくあるべし、と言った名曲中の名曲です!
Led Zeppelin - Stairway to Heaven Live
(昔はあまりにもみんなが演奏するから楽器屋で試し弾きに使うのが禁止されてた事は有名ですね。)
4.Kashmir
Led Zeppelin Kashmir 1979(LIVE VIDEO)
ツェッペリンの最終到達点の一つと言えばこれ!
DADGADチューニングと呼ばれる変速チューニングから繰り出される、壮大でおどろおどろしいリフに、闇を振り払うようなロバートのボーカルはまるではるか昔、中東辺りの荒野を進軍する軍隊を想起させます。
この絶妙に噛み合った、無駄のないアンサンブルはプロデューサーとしてのジミーの腕を垣間見ることができます。
ex.One Hit from The Rolling Stones 「Dirty Work」
The Rolling Stones - One Hit (To The Body) - OFFICIAL PROMO
客演としてのジミーのプレイを聞くならこちら!
当時不仲で機能不全に陥っていたストーンズにテコ入れをする為にキース・リチャーズが招聘したことで実現した曲。曲のラストで聴けるギターソロは、ジミーらしさ全開です!
ジミー・ペイジのおすすめアルバム!
1.Led Zeppelin Ⅳ
ジミー・ペイジの入門編として聞きたい人におすすめのアルバム!
「Black Dog」や、「Rock and Roll」に見られるリフメイカーとしての側面に、「Going to California」で見られるアコースティックな側面、更にそれらを集めた「Stairway to Heaven」と、これでもかとペイジを堪能させてくれます!
2.Led Zeppelin Ⅰ
リフメイカーとしてのジミーを堪能したい人におすすめのアルバム!
「Good times Bad times」や「Communication Breakdown」、「How many more times」など様々なリフが選り取り見取りな作品になっています!
また、このアルバムでは当時愛用していたテレキャスターとトーンベンダーというエフェクターの凶悪なサウンドが楽しめるのも魅力の一つです!
3.Led Zeppelin Ⅲ
アコースティックなジミーを聴きたい人におすすめのアルバム!
レッド・ツェッペリンと言えば強烈なリフに激情のギターソロというイメージが先行しがちですが、フォークの要素も持ち合わせています。
中でもこのⅢはそうした面を前面に押し出しており、
勢いに頼らない純粋なツェッペリンの地力を知ることができるアルバムになっています。
ジミー・ペイジのこぼれ話・小ネタ
そんなジミーは演奏面以外でもネタに事欠きません。
ツェッペリン時代、ペイジは黒魔術へ傾倒していると噂されました。
彼はアルバム『レッド・ツェッペリン III』に魔術師アレイスター・クロウリーの言葉を刻んだり、クロウリーの元邸宅を別荘として所有していたりした為に噂に拍車がかかってしまいました。
中でも有名なエピソードに、「天国への階段」を逆回転で再生させると悪魔崇拝のメッセージが聴こえるという噂が流れて批判の矢面に立たされる事態になったというものがあります。
アトランティックレコードはこの件に関して「当社のレコード盤は一方向にしか回転しない」と答えている。(当たり前ですよね汗)
バンド以外でのエピソードでは、来日の際には決まって輸入レコードショップに立ち寄り、写真撮影や店内の客との即席のサイン会などを開くことを条件に、不法に製造販売されている海賊盤を自身で大量に押収して持ち帰っているというものもあります。
他にも、ケチな人と言われることもあり、レッド・ツェッペリン時代に「レッド・ウォレット(鉛の財布)」と揶揄されたという話や、その反面慈善活動で高額の寄付を積極的に行うという話も有名です。
こんな感じで今回は終わりです!
編集後記
さて、今回大好きなギタリストについてまとめたのですが、聴きやすさや網羅性を意識して紹介するとレッド・ツェッペリンのことばかりになってしまった感が否めず、少し消化不良です。なので、ソロ作品やツェッペリン以降のバンドについて学習した上でまた追記していけたらと思います!
ここが変だ、とかここは違うなどあればコメントの方もよろしくお願いします。
次回はエリック・クラプトンについて書ければと思っています!それでは!