ディスクレビューvol.7 The Beach Boys「Pet Sounds」
どうもこんにちは！カムラです。
ディスクレビューシリーズ第7弾！
今回紹介するのは、The Beach Boysの「Pet Sounds」です！
ビーチ・ボーイズの11枚目のアルバムにしてロック史でも屈指の傑作アルバム。
世界的にヒットした｢サーフィンU.S.A.｣に代表されるサーフ・ロック、ホット・ロッド路線を辞めて、
その後の音楽に多大な影響を与えた今作を次の章でレビューをしていきます！
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと、「ロック界のバイブル」です。
従来のビーチ･ボーイズと言えば、前回のレビューにもあるように白と青のボーダーシャツを着た爽やかそうな男子がサーフ・ロック、ホット・ロッドなどの陽気な音楽を演奏するバンドのイメージだったと思います。
そんなビーチボーイズにとって、大きな転換期となったのが、ブライアン・ウィルソンの才能の開花です。
当時ビーチ・ボーイズは相次ぐ編集盤、新アルバムの発売に伴ったツアーで忙殺されており、それによって良い作品を作り出せないことを危惧したブライアンはバンドとのツアーを取りやめ、スタジオ・ミュージシャンたちと共にスタジオに篭り、傑作を作るべく苦心しました。
ブライアンが目指したのは、The Beatlesが1965年に発表したアルバム、「Rubber Soul」を超えるアルバムでした。
ブライアンはスタジオに入るとバンドの持ち味だった美しいハーモニーに加え、オルガンやハープシコード、フルート、テルミンといった楽器だけでなく、自転車のベルや、犬笛など本来レコーディングに用いられるようなことのない道具を用いた音やエフェクトを当時でも珍しかった多重録音により組み合わせていきました。
更に作詞面ではプロの作詞家、トニー・アッシャーを起用するなど制作への意気込みは本物でした。
(結果的に本作のレコーディングにおいてブライアン以外のメンバーはほぼボーカルとコーラスしか参加させてもらえませんでした…)
こうして作られたペット・サウンズは全米を揺るがすほどの大ヒット…とはならず、むしろサーフ・ロックを期待した当時のファン達からは複雑で内面を歌った音楽はあまり受け入れられないという結果に終わってしまいました。
その結果、ブライアンは更なる傑作を作らなければならないという強迫観念にかられ、ますますスタジオに引き籠るようになり、最後には精神を病んでしまい、バンドを去るまでになってしまいます…
この作品が正当な評価をされるようになったのはそれから数十年後のことで、当時はビートルズのように同じく時代の先端を走っていたミュージシャンにしか評価されませんでしたが、今では世界全体で知られるようになり、著名な音楽雑誌でもロック史の名盤ランキングで上位にランクインする作品となっています。
ビーチボーイズの原点が知りたい洋楽マニアだけでなく、録音を勉強する人、映画好きな人など幅広い層の人にもたまらない作品になっていますので洋楽をあまり聞かない方も是非聞いてみてください！
カムラのオススメトラック
①Wouldn’t It Be Nice
ビーチボーイズ最高傑作の一つ。
まるで天国にでもきたかと思わせるストリングスで始まるイントロが特徴的。
恋人と暮らして結婚できたら良いな、という率直で甘いラブソングになっています！
(追記:ストリングスと書きましたが正しくはクリーンのエレキギターを2回重ね録りして12弦風にしたものでした)
映画「ひだまりの彼女」のオープニングでもお馴染みの曲ですね！
The Beach Boys - Wouldn't It Be Nice (Original Video)
②Sloop John B
ビーチボーイズでも人気曲の一つ。
キラキラとしたサウンドの中に夏の終わりを思わせる哀愁を帯びたメロディは、どこか懐かしい気分にさせます。
実は、バハマ諸島の民謡をカバーしたものだったりします。
The Beach Boys - Sloop John B Promo Film (Official Video)
③God Only Knows
荘厳なイントロで幕開けるこの曲は、ビーチボーイズのコーラスの賜物と言えます。
サビやアウトロで聞かれる無限に続いていくかのように何重にも重なっていくコーラスはポップやロックでは無く荘厳な聖歌を聞いてるかのような感覚になります。
The Beach Boys - God only knows
以上アルバムレビューでした！
それでは！
アルバム
The Beach Boys/Pet Sounds
1.Wouldn’t It Be Nice
2.You Still Believe in Me
3.That’s Not Me
4.Don’t Talk
5.I’m Waiting for the Day
6.Let’s Go Away for Awhile
7.Sloop John B
8.God Only Knows
9.I Know There’s an Answer
10.Here Today
11.I Just Wasn’t Made for These Times
12.Pet Sounds
13.Caroline, No
