ディスクレビューvol.81 NUMBER GIRL 「SAPPUKEI」
どうもこんにちは、カムラです。
ディスクレビューシリーズ、NUMBER GIRL編の第二弾!
今回のアルバムは、NUMBER GIRLの「SAPPUKEI」です!
前作「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」より約1年振りのスタジオアルバム。
今作からは、ザ・フレーミング・リップスなどのバンドのプロデュースで知られる奇才、デイヴ・フリッドマンをプロデューサーに迎えて作られています。
ちなみにこのデイヴ・フリッドマンというプロデューサーは、後にナンバーガールの『NUM-HEAVYMETALLIC』や、ZAZEN BOYSの『ZAZEN BOYS 4』といったアルバムのプロデュースも手がけており、ナンバーガール・ファミリーとも言える存在になっていきます。
そんな今作は果たしてどんな仕上がりになっているのでしょうか…次の章でレビューをしていきます!
ディスクレビュー
今回のアルバムを一言で言うと「ナンバーガールの一つの到達点」です。
前作「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」は、「透明少女」や「裸足の季節」、「狂って候」などと言った楽曲に代表されるようにバンド・ナンバーガールの初期衝動をぶつけた疾走感の溢れる作品内容になっていたと思います。
これはつまり言い換えるとナンバーガールというバンドの原石・素材をそのままの形で活かし、生み出された作品とも言え、無限の可能性がある種と言うこともできるのです。
それが、デイヴ・フリッドマンというプロデューサーと強固なタッグを組んだことによって花開くことになるのでした。
前作が昼間のようになナンバーガールだと表現するのであれば、今作は「闇夜のナンバーガール」と表現することができましょう。
アルバムの一曲目「BRUTAL NUMBER GIRL」は、開始早々地下の奥深くで秘密裏に作られたかのように響き渡るリバーブがかったビートには、聞いてはならない禁断の音楽を聞いてるのではないか?という気分になります。
続く「ZEGEN VS UNDERCOVER」は、静と動のコントラストが絶妙に際立つ仕上がりになっており、以前のナンバーガールとは明らかに違うことが窺い知れましょう。
他にも、「URBAN GUITAR SAYONARA」や「ABSTRACT TRUTH」といった楽曲の中でも、前作とは違ったより無駄のない、洗練されたナンバーガールの一面を見ることができ、確実な成長を聞くことができます!
以上のように、奇才、デイヴ・フリッドマンとの出会いによってナンバーガールは原石から磨き上げられ、音楽的に大幅に成長し、一つの到達点に立つことに成功したのでした!
しかし、ナンバーガールの成長は止まる事を知らず、次作「NUM-HEAVYMETALLIC」では更なる飛躍を遂げていくのでした。(結果的にそれがバンドの解散の原因の一つになるのですが…)
より洗練された、轟音ギターロックを聞きたい人にはたまらない作品になっていますのでまだ聞いてない人は是非聞いてみてください!
カムラのオススメトラック
①ZEGEN VS UNDERCOVER
今作の中でも特にファンの間で人気の曲。
デイヴ・フリッドマンのプロデュースが、向井秀徳の作る8ミリ映画のような世界観とマッチして、まるで黒澤映画を見ているかのよう。
楽器隊も前作からますます静と動の緩急がつくようになり、刀が研ぎ澄まされたかのように鋭く突き刺さります。
NUMBER GIRL - ZEGEN VS UNDERCOVER
②SASU-YOU
個人的おすすめソング。
2分少々という僅かな時間にこれでもかと音の礫をぶつけまくってくる名曲。
ナンバーガールとしては珍しい四つ打ちが聞けるのも魅力的。
NUMBER GIRL - SASU-YOU 「Live in Shibuya 2000」
③TATOOあり
今作のハイライト。ナンバーガールでも屈指の名ギターリフが鳴ると、刹那始まるアヒト・イナザワと中尾憲太郎が刻むビートはまるで重戦車のよう。ジリジリと迫る重低音と共鳴するように、ノイジーなギターが響き渡ります!
極め付けは田渕ひさ子のギターソロ!まるで狂乱したかのような轟音に次ぐ轟音に次ぐ轟音!誰が言ったか暴走状態とは言い得て妙というやつです!
Number Girl - TATTOOあり (田渕ひさ子覚醒Ver.)
以上アルバムレビューでした!
それでは!
アルバム
NUMBER GIRL 「SAPPUKEI」
1.BRUTAL NUMBER GIRL
2.ZEGEN VS UNDERCOVER
3.SASU-YOU
4.URBAN GUITAR SAYONARA
5.ABSTRACT TRUTH
6.TATTOOあり
7.SAPPUKEI
8.U-REI
9.YARUSE NAKIKO の BEAT
10.TRAMPOLINE GIRL
11.BRUTAL MAN